日本プロ野球における2018年6月度の各チーム状況および、話題になった記録・ニュースを振り返ってみたい。(2018年5月度のまとめ記事はこちら)
交流戦では東京ヤクルトスワローズがセ・リーグでは巨人以外で初となる優勝を果たした。
交流戦 | 勝 | 敗 | 分 | 率 | 差 |
---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 12 | 6 | 0 | .667 | – |
オリックス | 11 | 6 | 1 | .647 | 0.5 |
ロッテ | 11 | 7 | 0 | .611 | 1.0 |
ソフトバンク | 11 | 7 | 0 | .611 | 1.0 |
日本ハム | 10 | 8 | 0 | .556 | 2.0 |
西武 | 10 | 8 | 0 | .556 | 2.0 |
巨人 | 8 | 10 | 0 | .444 | 4.0 |
横浜 | 8 | 10 | 0 | .444 | 4.0 |
中日 | 7 | 11 | 0 | .389 | 5.0 |
広島 | 7 | 11 | 0 | .389 | 5.0 |
阪神 | 6 | 11 | 1 | .353 | 5.5 |
楽天 | 6 | 12 | 0 | .333 | 6.0 |
セ・リーグは5球団が借金、パ・リーグは5球団が5割以上と明暗の分かれる交流戦となったが、各球団の6月成績がどうなったかを見ていきたいと思う。
2018年6月の各チーム状況
セ・リーグ順位表(6月終了時点)
セ・リーグ月間順位(6月)
セ・リーグ貯金推移(6月)
1位 広島東洋カープ
交流戦は7勝11敗の10位と苦戦したものの、交流戦後に6連勝を飾るなど、終わってみれば12勝11敗で月間2位につけた。6月はとにかく投手陣が苦しんでおり、先発防御率4.91は12球団最下位。ただ主軸の丸、鈴木、松山が揃ってOPS1.000を超えるなど、打線の月間OPS.808は12球団トップで、取られた分を取り返す野球で強さを見せた。
2位 東京ヤクルトスワローズ
交流戦では12勝6敗で初優勝を果たし、交流戦後も5連勝を飾るなど、6月は15勝8敗で最下位から一気に2位へと躍り出た。起爆剤となったのが今年MLBから復帰した青木宣親で、6月は打率.388、4本、22打点、OPS1.168と月間VMPを受賞する活躍を見せた。またエース小川が3勝0敗、防御率1.08で月間MVPを受賞するなど、投打のキーマンが躍動した形だ。
3位 阪神タイガース
6月は10勝12敗1分で月間3位。5月に防御率2点台をマークしていた先発陣が、6月は防御率4.50と急激に悪化。救援陣も月間防御率4.90と苦しむ中、能見、藤川のベテラン勢が月間防御率0点台で踏ん張りを見せた。逆に不調だった打線は月間OPS.760とリーグ3位にまで復調。2軍から昇格した陽川が打率.358、OPS1.098の活躍で起爆剤となっている。
4位 横浜DeNAベイスターズ
6月は9勝15敗で2位から4位に転落してしまった。5月終わりに今永、濱口、ウィーランドが復帰したものの、6月のチーム防御率4.42は12球団中8位で、12球団屈指だった投手力が影を潜めている。また打線もロペス、ソト、梶谷と上位打線が相次いで離脱してしまい、宮崎がOPS.970、筒香がOPS1.016と活躍するも、かなり苦しい戦いを強いられている。
5位 読売ジャイアンツ
6月は10勝13敗で月間4位。上原、内海といった投手陣が好調で、6月のチーム防御率3.51はリーグトップ。ただ打線は月間OPS.900超が一人もおらず、6月のチームOPS.684は12球団中9位。投手陣がそれなりに抑えても、野手陣が追加点を取れずに僅差で負けることが多く、6月だけで1点差負けが8試合もあるなど、かなり効率的に黒星を稼いでしまった。
6位 中日ドラゴンズ
6月は9勝14敗で月間5位。なんとか月間最下位は免れたものの、6月のチーム防御率5.15、チームOPS.663はいずれも12球団最下位。打線では平田が打率.351、OPS.950と奮闘したが、4,5月にOPS1.000近くをマークしていたアルモンテが、6月はOPS.521と大ブレーキ。また得点しても救援陣が逆転されるケースも多く、かなり苦しい状況となっている。
パ・リーグ順位表(6月終了時点)
パ・リーグ月間順位(6月)
パ・リーグ貯金推移(6月)
1位 埼玉西武ライオンズ
6月は11勝11敗で月間5位。打線は相変わらず強力で、6月のチームOPS.795は12球団中3位。秋山、外崎にいたっては月間OPS1.000を超えており、高い得点力を誇る。ただ救援陣には不安を抱えており、6月の救援防御率7.20は12球団中ダントツの最下位。点を取った以上に取られてしまうケースも多く、思ったより勝ちが伸びなかった。
2位 北海道日本ハムファイターズ
6月は12勝10敗の月間3位で、西武とゲーム差なしの首位に並び立った。投打ともに安定しており、6月のチーム防御率3.56は12球団中5位、チームOPS.800は12球団中2位と高いチーム力を誇る。中でも近藤、中田の3,4番が強力で、ふたりで44打点も叩き出している。ただ大差で勝って僅差で負けることも多く、チーム成績ほど勝ち星を伸ばせていない。
3位 福岡ソフトバンクホークス
6月は11勝10敗で月間4位。6月のチーム打率.231は12球団最下位だが、ホームラン36本は12球団トップで、とにかくホームランで得点していくスタイル。ここまで好調だった先発の千賀、石川がピリッとせず、いまいち勝ち星は伸びなかったが、鍛冶屋、寺原、二保といったリリーフ陣が月間防御率1点台と好調なので、ここからの巻き返しに期待したい。
4位 オリックスバファローズ
交流戦ではパ・リーグトップの2位となり、6月トータルでも11勝9敗2分で月間2位の好成績を残した。好調の要因は何と言ってもリリーフ陣で、6月は驚異の救援防御率1.80をマーク。12球団唯一の1点台で、接戦や延長戦で強さを見せた。ただ打線の方はピリッとせず、6月のチームOPS.697はリーグ最下位。投打が噛み合えば優勝も狙っていけるはずだ。
5位 千葉ロッテマリーンズ
6月は14勝8敗で月間1位。6月のチーム防御率2.85はリーグトップ、チームOPS.751はリーグ3位と盤石の態勢だ。先発ではボルシンガーが5勝0敗、石川歩が4勝0敗と抜群の安定感を誇っている。打線でも角中が打率.395、OPS.995の活躍で月間MVPを受賞するなど、投打が上手く噛み合っておりチーム状態は良い。
6位 東北楽天ゴールデンイーグルス
6月は10勝13敗で最下位。4,5月の流れそのままに交流戦中もあまり良い所がなく、借金20の大台に乗ったところで、ついに梨田監督が辞任することとなった。ただ6月中旬に復帰した島内や、2年目の田中が打撃好調で、少しずつ底は脱しつつある。実際、リーグ戦再開後は4勝3敗で勝ち越すなど、監督辞任ブーストがかかる可能性はありそうだ。
2018年6月の個人タイトル争い
セ・リーグ【打撃部門】
セ・リーグ【投手部門】
パ・リーグ【打撃部門】
パ・リーグ【投手部門】
2018年6月の月間MVP候補一覧
6月の月間MVP候補選手の成績一覧。(*印は規定未達)
セ・リーグ【打者部門】
ヤクルト・青木が、打率.388、安打33、打点22、得点圏打率.600でリーグトップとなり、自身4度目の受賞となった。
選手名 | 球団 | 打率 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
青木宣親 | ヤク | .388 | 23 | 85 | 33 | 4 | 22 | 0 | .485 | .682 | 1.168 |
陽川尚将 | 阪神 | .358 | 19 | 67 | 24 | 3 | 20 | 1 | .427 | .672 | 1.098 |
松山竜平 | 広島 | .357 | 22 | 70 | 25 | 4 | 16 | 0 | .423 | .643 | 1.066 |
平田良介 | 中日 | .351 | 22 | 77 | 27 | 1 | 7 | 1 | .432 | .519 | .951 |
丸佳浩 | 広島 | .346 | 23 | 81 | 28 | 8 | 15 | 3 | .490 | .741 | 1.231 |
セ・リーグ【投手部門】
ヤクルト・小川がリーグトップの3勝0敗、防御率1.08をマークし、自身2度目の受賞となった。
選手名 | 球団 | 防率 | 試合 | 勝 | 負 | S | H | 投回 | 奪三 | 完投 | 完封 | 自責 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小川泰弘 | ヤク | 1.08 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 25 | 20 | 0 | 0 | 3 |
山口俊 | 巨人 | 2.08 | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 | 30.1 | 31 | 1 | 0 | 7 |
菅野智之 | 巨人 | 3.09 | 5 | 3 | 2 | 0 | 0 | 32 | 29 | 1 | 1 | 11 |
大瀬良大地 | 広島 | 3.19 | 5 | 3 | 1 | 0 | 0 | 31 | 28 | 0 | 0 | 11 |
*カラシティー | ヤク | 2.33 | 5 | 3 | 0 | 0 | 0 | 19.1 | 13 | 0 | 0 | 5 |
パ・リーグ【打者部門】
ロッテ・角中が、リーグトップの打率.395、リーグ2位の出塁率.452&安打数32をマークし、初受賞となった。
選手名 | 球団 | 打率 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
角中勝也 | 千葉 | .395 | 22 | 81 | 32 | 2 | 16 | 1 | .452 | .543 | .995 |
吉田正尚 | オリ | .375 | 22 | 80 | 30 | 2 | 14 | 0 | .427 | .575 | 1.002 |
近藤健介 | オリ | .373 | 21 | 75 | 28 | 5 | 20 | 1 | .460 | .680 | 1.140 |
秋山翔吾 | 西武 | .365 | 23 | 96 | 35 | 4 | 11 | 3 | .435 | .583 | 1.019 |
上林誠知 | 福岡 | .329 | 21 | 82 | 27 | 9 | 24 | 1 | .345 | .720 | 1.065 |
パ・リーグ【投手部門】
ロッテ・ボルシンガーが、リーグトップの5勝0敗をマークし、初受賞となった。2度の完投でリーグトップの35投球回だったことも評価された。
選手名 | 球団 | 防率 | 試合 | 勝 | 負 | S | H | 投回 | 奪三 | 完投 | 完封 | 自責 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
石川歩 | 千葉 | 0.99 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 27.1 | 15 | 0 | 0 | 3 |
岸孝之 | 西武 | 1.74 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 31 | 34 | 0 | 0 | 6 |
ボルシンガー | 千葉 | 2.31 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 35 | 27 | 2 | 1 | 9 |
*山本由伸 | オリ | 0.69 | 13 | 1 | 0 | 0 | 11 | 13 | 10 | 0 | 0 | 1 |
*吉田一将 | オリ | 0.00 | 14 | 0 | 0 | 0 | 10 | 14.2 | 16 | 0 | 0 | 0 |
2018年6月の記録・ニュース
中日・高橋が4打席連続二塁打の日本タイ記録
5月31日のオリックス戦から6月1日の日本ハム戦にかけて、中日・高橋周平が4打席連続で二塁打を放つ日本タイ記録をマークした。同記録の達成者は史上8人目。
ヤクルト・青木が史上5人目の先頭打者ランニングHR
6月14日の西武戦で、ヤクルト・青木宣親が史上5人目となる先頭打者ランニングホームランを放った。