2005年にセ・パ交流戦が始まり既に17年が経過した。当初は両リーグの活性化を目的として試験的に導入された交流戦だが、もはやプロ野球には欠かせないものとなった。
ここでは、交流戦の①リーグ別勝敗数、②12球団の歴代順位、③12球団の通算勝率について紹介し、その歴史の一端を見ていきたいと思う。
特に12球団の通算勝率については、対戦球団別の勝率も算出しているので、得意球団・苦手球団もわかるようになっている。
リーグ別の勝敗数
リーグ別の勝敗数を見ると、セ・リーグが勝ち越したのは17回のうち3回のみで、他は全てパ・リーグが勝ち越しを決めている。特に2010年代の負け越しが大きく、通算では100勝以上の差が出来てしまっている。

ただ近年はセ・リーグも巻き返しに出ており、2021年には12年ぶりの勝ち越しを、2022年には初の2年連続勝ち越しを決めている。この調子で来年以降もリーグ間で肉薄した試合を見せてくれることに期待したい。
12球団の歴代順位
交流戦の歴代の順位一覧を以下に示す。

交流戦の優勝回数を見ると、ソフトバンクが8回とダントツトップ。次いでロッテ、巨人、オリックス、ヤクルトの2回があり、あとは日本ハムが1回優勝しているだけである。
交流戦で上位につけているチームがペナント優勝するケースが多く、2008年の西武のように11位から優勝というのはかなりのレアケースと言えるだろう。(この時の西武は10勝14敗で、11位とは言えそれほど大きく負け越したわけではない)
ちなみに各球団のこれまでの平均順位は以下の通り。これで交流戦の得意・不得意がおおよそ見えてくるはずだ。

12球団の通算勝率
ここからは各チームの通算勝率を高い順に紹介していきたい。(2022最新)
1位 福岡ソフトバンクホークス 勝率.613

- 通算 228勝144敗18分 勝率.613
- 巨人 40勝25敗0分 勝率.615
- 中日 35勝27敗3分 勝率.565
- 阪神 35勝26敗4分 勝率.574
- ヤク 36勝27敗2分 勝率.571
- 広島 41勝18敗6分 勝率.695
- 横浜 41勝21敗3分 勝率.661
12球団で唯一勝率が6割を超えている。特にセ・リーグで最も交流戦勝率の高い巨人を得意としているのが大きい。
2位 千葉ロッテマリーンズ 勝率.539

- 通算 202勝173敗15分 勝率.539
- 巨人 35勝27敗3分 勝率.565
- 中日 33勝29敗3分 勝率.532
- 阪神 28勝32敗5分 勝率.467
- ヤク 33勝32敗0分 勝率.508
- 広島 37勝25敗3分 勝率.597
- 横浜 36勝28敗1分 勝率.563
交流戦の初代王者。シーズンの調子が悪くても、交流戦から調子を上げてくる強さがある。2021年に日本ハムを抜いて勝率2位に躍り出た。
3位 北海道日本ハムファイターズ 勝率.530

- 通算 201勝178敗11分 勝率.530
- 巨人 30勝33敗2分 勝率.476
- 中日 34勝29敗2分 勝率.540
- 阪神 31勝33敗1分 勝率.484
- ヤク 32勝30敗3分 勝率.516
- 広島 38勝25敗2分 勝率.603
- 横浜 36勝28敗1分 勝率.563
交流戦では安定した強さを誇るが、巨人と阪神には負け越しており、相性の悪さが伺える。
4位 読売ジャイアンツ 勝率.519

- 通算 196勝182敗12分 勝率.519
- 福岡 25勝40敗0分 勝率.385
- 千葉 27勝35敗3分 勝率.435
- ハム 33勝30敗2分 勝率.524
- オリ 35勝26敗4分 勝率.574
- 西武 37勝25敗3分 勝率.597
- 楽天 39勝26敗0分 勝率.600
セ・リーグ唯一の勝率5割超え。パ・リーグの交流戦順位通りの成績で、下位に強く、上位に弱い傾向が顕著。
5位 オリックス・バファローズ 勝率.509

- 通算 193勝186敗11分 勝率.509
- 巨人 26勝35敗4分 勝率.426
- 中日 26勝38敗1分 勝率.406
- 阪神 31勝31敗3分 勝率.500
- ヤク 30勝34敗1分 勝率.469
- 広島 40勝24敗1分 勝率.625
- 横浜 40勝24敗1分 勝率.625
2021年に2度目の交流戦優勝を果たし、勝率で5位に上がった。広島、横浜を得意とし、巨人、中日を苦手としている。
5位 埼玉西武ライオンズ 勝率.509

- 通算 193勝186敗11分 勝率.509
- 巨人 25勝37敗3分 勝率.403
- 中日 33勝30敗2分 勝率.524
- 阪神 33勝32敗0分 勝率.508
- ヤク 37勝27敗1分 勝率.578
- 広島 29勝33敗3分 勝率.468
- 横浜 36勝27敗2分 勝率.571
ペナント順位と比べると、交流戦をあまり得意としていないが、それでも勝率は堂々の5割超え。巨人を苦手とし、ヤクルト、横浜を得意としている。
7位 阪神タイガース 勝率.499

- 通算 188勝189敗13分 勝率.499
- 福岡 26勝35敗4分 勝率.426
- 千葉 32勝28敗5分 勝率.533
- ハム 33勝31敗1分 勝率.516
- オリ 31勝31敗3分 勝率.500
- 西武 32勝33敗0分 勝率.492
- 楽天 34勝31敗0分 勝率.523
2021年、2022年と2年連続で交流戦2位につけており、勝率5割が目前に迫っている。勝率2位のロッテに勝ち越しており、相性の良さが伺える。
8位 中日ドラゴンズ 勝率.495

- 通算 187勝191敗12分 勝率.495
- 福岡 27勝35敗3分 勝率.435
- 千葉 29勝33敗3分 勝率.468
- ハム 29勝34敗2分 勝率.460
- オリ 38勝26敗1分 勝率.594
- 西武 30勝33敗2分 勝率.476
- 楽天 34勝30敗1分 勝率.521
2022年に勝率5割を切ってしまい、阪神に抜かれて勝率8位に。交流戦下位に強く、上位に弱い傾向が見える。
9位 東京ヤクルトスワローズ 勝率.484

- 通算 185勝197敗8分 勝率.484
- 福岡 27勝36敗2分 勝率.429
- 千葉 32勝33敗0分 勝率.492
- ハム 30勝32敗3分 勝率.484
- オリ 34勝30敗1分 勝率.531
- 西武 27勝37敗1分 勝率.422
- 楽天 35勝29敗1分 勝率.547
2022年に2度目の交流戦優勝を果たし、勝率で楽天を抜いて9位にランクアップ。ソフトバンクと西武には相性がかなり悪い。
10位 東北楽天ゴールデンイーグルス 勝率.473

- 通算 182勝203敗5分 勝率.473
- 巨人 26勝39敗0分 勝率.400
- 中日 30勝34敗1分 勝率.469
- 阪神 31勝34敗0分 勝率.477
- ヤク 29勝35敗1分 勝率.453
- 広島 33勝32敗0分 勝率.508
- 横浜 33勝29敗3分 勝率.532
2015年以降は負け越しが1回しかないが、球団創設初期の借金が大きいため、トータルでは借金持ち。巨人とはかなり相性が悪い。
11位 広島東洋カープ 勝率.419

- 通算 157勝218敗15分 勝率.419
- 福岡 18勝41敗6分 勝率.305
- 千葉 25勝37敗3分 勝率.403
- ハム 25勝38敗2分 勝率.397
- オリ 24勝40敗1分 勝率.375
- 西武 33勝29敗3分 勝率.532
- 楽天 32勝33敗0分 勝率.492
2019~2022年まで3年連続で交流戦最下位となっており、勝率最下位が近づいてきている。ソフトバンクにめっぽう弱く、過去に勝ち越しは1度しかない。
12位 横浜DeNAベイスターズ 勝率.414

- 通算 157勝222敗11分 勝率.414
- 福岡 21勝41敗3分 勝率.339
- 千葉 28勝36敗1分 勝率.438
- ハム 28勝36敗1分 勝率.438
- オリ 24勝40敗1分 勝率.375
- 西武 27勝36敗2分 勝率.429
- 楽天 29勝33敗3分 勝率.468
2019年に通算勝率3割台から脱出。2015年の3勝14敗1分(勝率.176)は、交流戦における単年度勝率のワースト記録となっている。