2005年にセ・パ交流戦が始まり既に15年が経過した。当初は両リーグの活性化を目的として試験的に導入された交流戦だが、もはやプロ野球には欠かせないものとなった。
ここでは、交流戦の①リーグ別勝敗数、②12球団の歴代順位、③12球団の通算勝率について紹介し、その歴史の一端を見ていきたいと思う。
特に12球団の通算勝率については、対戦球団別の勝率も算出しているので、得意球団・苦手球団もわかるようになっている。
リーグ別の勝敗数
リーグ別の勝敗数を見ると、セ・リーグが勝ち越したのは2009年のみで、他は全てパ・リーグが勝ち越しを決めている。2009年まではそれなりに競っていたものの、それ以降はパ・リーグに大きく水をあけられている形だ。

2012年、2014年とセ・リーグが優勝した年には1勝差と肉薄して見せたが、その他の年の負け越しが大きく、通算では100勝以上の差が出来てしまっている。DHの有無やドラフトの優劣などいくつか理由は考えられるが、現状ではリーグ間で埋められない実力差があるのは確かだろう。
12球団の歴代順位
交流戦の歴代の順位一覧を以下に示す。

交流戦の優勝回数を見ると、ソフトバンクが8回とダントツトップ。次いで巨人とロッテの2回があり、あとは日本ハム、オリックス、ヤクルトが1回ずつ優勝しているだけである。
交流戦で上位につけているチームがペナント優勝するケースが多く、2008年の西武のように11位から優勝というのはかなりのレアケースと言えるだろう。(この時の西武は10勝14敗で、11位とは言えそれほど大きく負け越したわけではない)
ちなみに各球団のこれまでの平均順位は以下の通り。これで交流戦の得意・不得意がおおよそ見えてくるはずだ。

12球団の通算勝率
ここからは各チームの通算勝率を高い順に紹介していきたい。(2019最新)
1位 福岡ソフトバンクホークス 勝率.629

- 通算 214勝126敗14分 勝率.629
- 巨人 36勝23敗0分 勝率.610
- 中日 34勝23敗2分 勝率.596
- 阪神 31勝24敗4分 勝率.564
- ヤク 36勝21敗2分 勝率.632
- 広島 37勝18敗4分 勝率.673
- 横浜 40勝17敗2分 勝率.702
12球団で唯一勝率が6割を越えている。特にセ・リーグで最も交流戦勝率の高い巨人を得意としているのが大きい。広島に対しては負け越したことが1度しかない。
2位 北海道日本ハムファイターズ 勝率.542

- 通算 186勝157敗11分 勝率.542
- 巨人 26勝31敗2分 勝率.456
- 中日 30勝27敗2分 勝率.526
- 阪神 31勝27敗1分 勝率.534
- ヤク 30勝26敗3分 勝率.536
- 広島 35勝22敗2分 勝率.614
- 横浜 34勝24敗1分 勝率.586
交流戦では安定した強さを誇るが、唯一巨人にだけは負け越しており、相性の悪さが伺える。
3位 千葉ロッテマリーンズ 勝率.541

- 通算 184勝156敗14分 勝率.541
- 巨人 33勝23敗3分 勝率.589
- 中日 30勝27敗2分 勝率.526
- 阪神 25勝29敗5分 勝率.463
- ヤク 30勝29敗0分 勝率.508
- 広島 33勝23敗3分 勝率.589
- 横浜 33勝25敗1分 勝率.569
交流戦の初代王者。シーズンの調子が悪くても、交流戦から調子を上げてくる強さがある。巨人、広島に強く、阪神には弱い。
4位 読売ジャイアンツ 勝率.525

- 通算 181勝164敗9分 勝率.525
- 福岡 23勝36敗0分 勝率.390
- ハム 31勝26敗2分 勝率.544
- 千葉 23勝33敗3分 勝率.411
- 西武 35勝23敗1分 勝率.603
- オリ 33勝23敗3分 勝率.589
- 楽天 36勝23敗0分 勝率.610
セ・リーグ唯一の勝率5割越え。ソフトバンクやロッテにはめっぽう弱いが、オリックス、西武、楽天には相性が良い。
5位 埼玉西武ライオンズ 勝率.510

- 通算 177勝170敗7分 勝率.510
- 巨人 23勝35敗1分 勝率.397
- 中日 29勝28敗2分 勝率.509
- 阪神 31勝28敗0分 勝率.525
- ヤク 36勝22敗1分 勝率.621
- 広島 26勝31敗2分 勝率.456
- 横浜 32勝26敗1分 勝率.552
ペナント順位と比べると、交流戦をあまり得意とはしていないが、それでも勝率は堂々の5割超え。巨人、広島を苦手とし、ヤクルトをかなり得意としている。
6位 オリックス・バファローズ 勝率.503

- 通算 173勝171敗10分 勝率.503
- 巨人 23勝33敗3分 勝率.411
- 中日 23勝35敗1分 勝率.397
- 阪神 29勝27敗3分 勝率.518
- ヤク 27勝31敗1分 勝率.466
- 広島 34勝24敗1分 勝率.586
- 横浜 37勝21敗1分 勝率.638
勝率5割超えの最後のチーム。横浜にめっぽう強く、中日にめっぽう弱い。交流戦優勝を果たした2010年にも、中日にだけは負け越している。
7位 中日ドラゴンズ 勝率.497

- 通算 171勝173敗10分 勝率.497
- 福岡 23勝34敗2分 勝率.404
- ハム 27勝30敗2分 勝率.474
- 千葉 27勝30敗2分 勝率.474
- 西武 28勝29敗2分 勝率.491
- オリ 35勝23敗1分 勝率.603
- 楽天 31勝27敗1分 勝率.534
2019年についに通算勝率が5割を切ってしまった。交流戦下位に強く、上位に弱いという傾向が顕著。
8位 阪神タイガース 勝率.484

- 通算 165勝176敗13分 勝率.484
- 福岡 24勝31敗4分 勝率.436
- ハム 27勝31敗1分 勝率.466
- 千葉 29勝25敗5分 勝率.537
- 西武 28勝31敗0分 勝率.475
- オリ 27勝29敗3分 勝率.482
- 楽天 30勝29敗0分 勝率.508
パの交流戦順位に比例した成績だが、勝率3位のロッテには勝ち越しており、相性の良さが伺える。
9位 東北楽天ゴールデンイーグルス 勝率.469

- 通算 164勝186敗4分 勝率.469
- 巨人 23勝36敗0分 勝率.390
- 中日 27勝31敗1分 勝率.466
- 阪神 29勝30敗0分 勝率.492
- ヤク 26勝32敗1分 勝率.448
- 広島 28勝31敗0分 勝率.475
- 横浜 31勝26敗2分 勝率.544
2015年以降は勝ち越しが多くなっているが、球団創設初期の借金が大きいため、トータルでは借金持ち。巨人とはかなり相性が悪い。
10位 東京ヤクルトスワローズ 勝率.465

- 通算 161勝185敗8分 勝率.465
- 福岡 21勝36敗2分 勝率.368
- ハム 26勝30敗3分 勝率.464
- 千葉 29勝30敗0分 勝率.492
- 西武 22勝36敗1分 勝率.379
- オリ 31勝27敗1分 勝率.534
- 楽天 32勝26敗1分 勝率.552
2018年にセ・リーグで2球団目の交流戦優勝を果たす。ソフトバンクと西武には相性がかなり悪い。
11位 広島東洋カープ 勝率.436

- 通算 149勝193敗12分 勝率.436
- 福岡 18勝37敗4分 勝率.327
- ハム 22勝35敗2分 勝率.386
- 千葉 23勝33敗3分 勝率.411
- 西武 31勝26敗2分 勝率.544
- オリ 24勝34敗1分 勝率.414
- 楽天 31勝28敗0分 勝率.525
ちょくちょく大きな負け越しをするため通算勝率ではブービー。ソフトバンクにめっぽう弱く、過去に勝ち越しは1度しかない。
12位 横浜DeNAベイスターズ 勝率.402

- 通算 139勝207敗8分 勝率.402
- 福岡 17勝40敗2分 勝率.298
- ハム 24勝34敗1分 勝率.414
- 千葉 25勝33敗1分 勝率.431
- 西武 26勝32敗1分 勝率.448
- オリ 21勝37敗1分 勝率.362
- 楽天 26勝31敗2分 勝率.456
2019年に通算勝率3割台から脱出。2015年の3勝14敗1分(勝率.176)は、交流戦における単年度勝率のワースト記録となっている。