2005年にセ・パ交流戦が始まり既に16年が経過した。当初は両リーグの活性化を目的として試験的に導入された交流戦だが、もはやプロ野球には欠かせないものとなった。
ここでは、交流戦の①リーグ別勝敗数、②12球団の歴代順位、③12球団の通算勝率について紹介し、その歴史の一端を見ていきたいと思う。
特に12球団の通算勝率については、対戦球団別の勝率も算出しているので、得意球団・苦手球団もわかるようになっている。
リーグ別の勝敗数
リーグ別の勝敗数を見ると、セ・リーグが勝ち越したのは2009年と2021年のみで、他は全てパ・リーグが勝ち越しを決めている。2009年まではそれなりに競っていたものの、それ以降はパ・リーグに大きく水をあけられている形だ。

2012年、2014年とセ・リーグが交流戦優勝した年には1勝差と肉薄して見せたが、その他の年の負け越しが大きく、通算では100勝以上の差が出来てしまっている。2021年は実に12年ぶりにセ・リーグが勝ち越しを決めて話題となったが、来年以降もリーグ間で肉薄した試合を見せてくれることに期待したい。
12球団の歴代順位
交流戦の歴代の順位一覧を以下に示す。

交流戦の優勝回数を見ると、ソフトバンクが8回とダントツトップ。次いでロッテ、巨人、オリックスの2回があり、あとは日本ハム、ヤクルトが1回ずつ優勝しているだけである。
交流戦で上位につけているチームがペナント優勝するケースが多く、2008年の西武のように11位から優勝というのはかなりのレアケースと言えるだろう。(この時の西武は10勝14敗で、11位とは言えそれほど大きく負け越したわけではない)
ちなみに各球団のこれまでの平均順位は以下の通り。これで交流戦の得意・不得意がおおよそ見えてくるはずだ。

12球団の通算勝率
ここからは各チームの通算勝率を高い順に紹介していきたい。(2021最新)
1位 福岡ソフトバンクホークス 勝率.619

- 通算 219勝135敗18分 勝率.619
- 巨人 38勝24敗0分 勝率.613
- 中日 34勝25敗3分 勝率.576
- 阪神 33勝25敗4分 勝率.569
- ヤク 36勝24敗2分 勝率.600
- 広島 38勝18敗6分 勝率.679
- 横浜 40勝19敗3分 勝率.678
12球団で唯一勝率が6割を超えている。特にセ・リーグで最も交流戦勝率の高い巨人を得意としているのが大きい。広島に対しては負け越したことが1度しかない。
2位 千葉ロッテマリーンズ 勝率.538

- 通算 192勝165敗15分 勝率.538
- 巨人 34勝25敗3分 勝率.576
- 中日 30勝29敗3分 勝率.508
- 阪神 27勝30敗5分 勝率.474
- ヤク 32勝30敗0分 勝率.516
- 広島 35勝24敗3分 勝率.593
- 横浜 34勝27敗1分 勝率.557
交流戦の初代王者。シーズンの調子が悪くても、交流戦から調子を上げてくる強さがある。2021年に日本ハムを抜いて勝率2位に躍り出た。
3位 北海道日本ハムファイターズ 勝率.535

- 通算 193勝168敗11分 勝率.535
- 巨人 28勝32敗2分 勝率.467
- 中日 31勝29敗2分 勝率.517
- 阪神 31勝30敗1分 勝率.508
- ヤク 31勝28敗3分 勝率.525
- 広島 37勝23敗2分 勝率.617
- 横浜 35勝26敗1分 勝率.574
交流戦では安定した強さを誇るが、唯一巨人にだけは負け越しており、相性の悪さが伺える。
4位 読売ジャイアンツ 勝率.522

- 通算 188勝172敗12分 勝率.522
- 福岡 24勝38敗0分 勝率.387
- 千葉 25勝34敗3分 勝率.424
- ハム 32勝28敗2分 勝率.533
- オリ 33勝25敗4分 勝率.569
- 西武 36勝23敗3分 勝率.610
- 楽天 38勝24敗0分 勝率.613
セ・リーグ唯一の勝率5割超え。パ・リーグの交流戦順位通りの成績で、下位に強く、上位に弱い傾向が顕著。
5位 オリックス・バファローズ 勝率.512

- 通算 185勝176敗11分 勝率.512
- 巨人 25勝33敗4分 勝率.431
- 中日 25勝36敗1分 勝率.410
- 阪神 31勝28敗3分 勝率.525
- ヤク 29勝32敗1分 勝率.475
- 広島 37勝24敗1分 勝率.607
- 横浜 38勝21敗1分 勝率.638
2021年に2度目の交流戦優勝を果たし、西武を抜いて勝率5位に。広島、横浜を得意とし、巨人、中日を苦手としている。
6位 埼玉西武ライオンズ 勝率.510

- 通算 184勝177敗11分 勝率.510
- 巨人 23勝36敗3分 勝率.397
- 中日 31勝29敗2分 勝率.517
- 阪神 32勝30敗0分 勝率.516
- ヤク 37勝24敗1分 勝率.607
- 広島 27勝32敗3分 勝率.458
- 横浜 34勝26敗2分 勝率.567
ペナント順位と比べると、交流戦をあまり得意とはしていないが、それでも勝率は堂々の5割超え。巨人を苦手とし、ヤクルトを得意としている。
7位 中日ドラゴンズ 勝率.500

- 通算 180勝180敗12分 勝率.500
- 福岡 25勝34敗3分 勝率.424
- 千葉 29勝30敗3分 勝率.492
- ハム 29勝31敗2分 勝率.483
- オリ 36勝25敗1分 勝率.590
- 西武 29勝31敗2分 勝率.483
- 楽天 32勝29敗1分 勝率.525
2019年に勝率5割を切ってしまったが、2021年にすぐ勝率5割に復帰。交流戦下位に強く、上位に弱い傾向が見える。
8位 阪神タイガース 勝率.490

- 通算 176勝183敗13分 勝率.490
- 福岡 25勝33敗4分 勝率.431
- 千葉 30勝27敗5分 勝率.526
- ハム 30勝31敗1分 勝率.492
- オリ 28勝31敗3分 勝率.475
- 西武 30勝32敗0分 勝率.484
- 楽天 33勝29敗0分 勝率.532
2021年は交流戦2位で勝率5割にぐっと近づいた。勝率2位のロッテに勝ち越しており、相性の良さが伺える。
9位 東北楽天ゴールデンイーグルス 勝率.471

- 通算 173勝194敗5分 勝率.471
- 巨人 24勝38敗0分 勝率.387
- 中日 29勝32敗1分 勝率.475
- 阪神 29勝33敗0分 勝率.468
- ヤク 28勝33敗1分 勝率.459
- 広島 31勝31敗0分 勝率.500
- 横浜 32勝27敗3分 勝率.542
2015年以降は負け越しが1回しかないが、球団創設初期の借金が大きいため、トータルでは借金持ち。巨人とはかなり相性が悪い。
10位 東京ヤクルトスワローズ 勝率.470

- 通算 171勝193敗8分 勝率.470
- 福岡 24勝36敗2分 勝率.400
- 千葉 30勝32敗0分 勝率.484
- ハム 28勝31敗3分 勝率.475
- オリ 32勝29敗1分 勝率.525
- 西武 24勝37敗1分 勝率.393
- 楽天 33勝28敗1分 勝率.541
2018年にセ・リーグで2球団目となる交流戦優勝を果たす。ソフトバンクと西武には相性がかなり悪い。
11位 広島東洋カープ 勝率.426

- 通算 152勝205敗15分 勝率.426
- 福岡 18勝38敗6分 勝率.321
- 千葉 24勝35敗3分 勝率.407
- ハム 23勝37敗2分 勝率.383
- オリ 24勝37敗1分 勝率.393
- 西武 32勝27敗3分 勝率.542
- 楽天 31勝31敗0分 勝率.500
ちょくちょく大きな負け越しをするため通算勝率ではブービー。ソフトバンクにめっぽう弱く、過去に勝ち越しは1度しかない。
12位 横浜DeNAベイスターズ 勝率.410

- 通算 148勝213敗11分 勝率.410
- 福岡 19勝40敗3分 勝率.322
- 千葉 27勝34敗1分 勝率.443
- ハム 26勝35敗1分 勝率.426
- オリ 23勝38敗1分 勝率.377
- 西武 26勝34敗2分 勝率.433
- 楽天 27勝32敗3分 勝率.458
2019年に通算勝率3割台から脱出。2015年の3勝14敗1分(勝率.176)は、交流戦における単年度勝率のワースト記録となっている。