日本プロ野球における2018年9・10月度の各チーム状況および、話題になった記録・ニュースを振り返ってみたい。(2018年8月度のまとめ記事はこちら)
セ・リーグでは、9月26日に広島東洋カープが3年連続9回目の優勝を、パ・リーグでは、9月30日に埼玉西武ライオンズが10年ぶり22回目の優勝を成し遂げている。
2018年9・10月の各チーム状況
セ・リーグ順位表(全日程終了)
セ・リーグ月間順位(9・10月)
セ・リーグ貯金推移(9・10月)
1位 広島東洋カープ
9・10月は13勝15敗で月間4位。マジック17で9月に突入した広島だったが、丸、鈴木を始めとした打線が振るわず足踏みの時期が続いた。それでもこれまでの貯金は大きく、9月26日に念願の本拠地優勝を果たしている。大瀬良が最多勝と最高勝率、丸が最高出塁率のタイトルに輝いている。
2位 東京ヤクルトスワローズ
9・10月は18勝10敗1分で月間1位。シーズン終盤に強さを見せ、昨年の最下位から一気に2位へと躍り出た。9・10月は救援陣の調子が良く、救援防御率2.86と12球団で唯一2点台をマークしている。近藤が最優秀中継ぎ、バレンティンが最多打点、山田が最多盗塁のタイトルに輝いている。
3位 読売ジャイアンツ
9・10月は9勝9敗3分で月間3位。9月前半にチーム出塁率が3割を切る貧打に陥ったが、投手陣が粘りを見せAクラス入りを果たしている。9・10月のチーム防御率3.18は12球団中1位で、特に菅野の3連続完封が大きかった。菅野が最多勝、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルに輝いている。
4位 横浜DeNAベイスターズ
9・10月は16勝12敗で月間2位。5~8月までずっと調子の上がらなかった先発陣だが、9・10月は先発防御率3.22と12球団中2位の働きを見せ、最後まで熾烈なAクラス争いを演じた。山崎が最多セーブ、ソトが最多本塁打のタイトルに輝いている。
5位 中日ドラゴンズ
9・10月は10勝12敗1分で月間5位。9・10月のチーム打率.275はリーグトップで、首位・広島に3連勝を決めるなど一時はAクラス入りも見えたが、9月後半に失速して最終的に5位となった。ビシエドが首位打者と最多安打のタイトルに輝いている。
6位 阪神タイガース
9・10月は12勝20敗1分で月間6位。雨天中止の影響で9・10月に試合が集中し、12球団最多の33試合を行っている。最後までAクラス争いを演じていたが、最後の10連戦で2勝8敗と急降下し、17年ぶりの最下位に沈んでいる。タイトル獲得者はなし。
パ・リーグ順位表(全日程終了)
パ・リーグ月間順位(9・10月)
パ・リーグ貯金推移(9・10月)
1位 埼玉西武ライオンズ
9・10月は20勝8敗で月間1位。9月後半に怒涛の12連勝を決め、2位ソフトバンクとの天王山にも5勝1敗で勝ち越すと、9月30日には10年ぶりとなるリーグ優勝を果たした。多和田が最多勝、秋山が最多安打、山川が最多本塁打、浅村が最多打点のタイトルに輝いている。
2位 福岡ソフトバンクホークス
9・10月は21勝10敗で月間2位。9・10月のチーム防御率3.56はリーグトップで、チームOPS.797も西武に次ぐ2位。8月に続き驚異的な追い上げを見せたが、西武との直接対決に負け越して2位となった。森が最多セーブ、柳田が首位打者と最高出塁率のタイトルに輝いている。
3位 北海道日本ハムファイターズ
9・10月は13勝14敗で月間3位。レアードの怪我などもあって打線が低迷し、9・10月のチームOPS.651が12球団最下位となるなど苦しい状況だったが、救援陣の粘りもあってAクラスをキープした。宮西が最優秀中継ぎ、西川が最多盗塁のタイトルに輝いている。
4位 オリックスバファローズ
9・10月は12勝13敗で月間4位。9・10月の先発防御率3.47はリーグトップであり、打線も好調だったが、救援防御率4.77が12球団最下位で、それほど勝ちを伸ばせなかった。今季のチーム防御率3.69は12球団中1位であり、投手陣の頑張りが見える一年となった。タイトル獲得者はなし。
5位 千葉ロッテマリーンズ
9・10月は7勝23敗で月間6位。なんとかシーズン5位はキープしたが、本拠地14連敗のリーグワースト記録を更新するなど、苦しい戦いを強いられた。ただ昨年に比べ得失点は大きく改善しており、来年以降の立て直しに期待したい。ボルシンガーが最高勝率のタイトルに輝いている。
6位 東北楽天ゴールデンイーグルス
9・10月は11勝16敗で月間5位。4月上旬からずっと最下位をひた走ってきたが、9・10月の救援防御率.3.15がリーグトップをマークし、最後は5位に1ゲーム差のところまで肉薄してみせた。岸が最優秀防御率、則本が最多奪三振のタイトルに輝いている。
2018年9・10月の個人タイトル争い
セ・リーグ【打撃部門】
セ・リーグ【投手部門】
パ・リーグ【打撃部門】
パ・リーグ【投手部門】
2018年9・10月の月間MVP候補一覧
9・10月の月間MVP候補選手の成績一覧。(*印は規定未達)
セ・リーグ【打者部門】
横浜・ソトが、リーグトップの14本塁打、31打点、OPS1.275をマークし、自身初の受賞となった。
選手名 | 球団 | 打率 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アルモンテ | 中日 | .417 | 23 | 84 | 35 | 3 | 19 | 0 | .490 | .619 | 1.109 |
坂本勇人 | 巨人 | .402 | 21 | 87 | 35 | 5 | 9 | 1 | .464 | .644 | 1.108 |
ソト | 横浜 | .360 | 28 | 100 | 36 | 14 | 31 | 0 | .445 | .830 | 1.275 |
大山悠輔 | 阪神 | .350 | 33 | 137 | 48 | 9 | 27 | 4 | .403 | .642 | 1.045 |
岡本和真 | 巨人 | .304 | 21 | 79 | 24 | 7 | 16 | 0 | .409 | .608 | 1.016 |
セ・リーグ【投手部門】
巨人・菅野智之が、リーグトップの4勝、防御率1.10、奪三振44をマークし、自身6度目の受賞となった。
選手名 | 球団 | 防御率 | 試合 | 勝 | 負 | S | H | 投回 | 奪三 | 完投 | 完封 | 自責 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
菅野智之 | 巨人 | 1.10 | 7 | 4 | 1 | 0 | 0 | 49 | 44 | 3 | 3 | 6 |
東克樹 | 横浜 | 1.74 | 5 | 2 | 0 | 0 | 0 | 31 | 37 | 0 | 0 | 6 |
笠原祥太郎 | 中日 | 2.76 | 4 | 3 | 1 | 0 | 0 | 29.1 | 20 | 1 | 1 | 9 |
*石山泰稚 | ヤク | 1.06 | 16 | 0 | 0 | 10 | 1 | 17 | 15 | 0 | 0 | 2 |
*ロドリゲス | 中日 | 1.29 | 18 | 0 | 0 | 1 | 7 | 21 | 23 | 0 | 0 | 3 |
パ・リーグ【打者部門】
西武・山川穂高が、リーグトップの11本塁打、28打点をマークし、自身4度目の受賞となった。9・10月に6本の殊勲打を放つなど、チームの優勝に大きく貢献したことも評価された。
選手名 | 球団 | 打率 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吉田正尚 | オリ | .404 | 25 | 89 | 36 | 5 | 11 | 1 | .486 | .740 | 1.216 |
島内宏明 | 楽天 | .364 | 27 | 99 | 36 | 4 | 16 | 3 | .439 | .535 | .974 |
柳田悠岐 | 福岡 | .345 | 24 | 84 | 29 | 5 | 14 | 1 | .427 | .595 | 1.022 |
ウィーラー | 楽天 | .341 | 25 | 85 | 29 | 7 | 27 | 0 | .392 | .659 | 1.051 |
山川穂高 | 西武 | .333 | 28 | 102 | 34 | 11 | 28 | 0 | .465 | .706 | 1.170 |
パ・リーグ【投手部門】
西武・多和田真三郎が、リーグトップの4勝、防御率1.54をマークし、自身2度目の受賞となった。
選手名 | 球団 | 防御率 | 試合 | 勝 | 負 | S | H | 投回 | 奪三 | 完投 | 完封 | 自責 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
多和田真三郎 | 西武 | 1.54 | 5 | 4 | 0 | 0 | 0 | 35 | 17 | 1 | 1 | 6 |
ミランダ | 福岡 | 1.89 | 6 | 4 | 1 | 0 | 0 | 33.1 | 27 | 0 | 0 | 7 |
則本昂大 | 楽天 | 2.25 | 6 | 4 | 1 | 0 | 0 | 36 | 39 | 0 | 0 | 9 |
菊池雄星 | 西武 | 3.10 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 29 | 27 | 1 | 0 | 10 |
*東浜巨 | 福岡 | 1.82 | 5 | 4 | 0 | 0 | 0 | 29.2 | 17 | 0 | 0 | 6 |
2018年9・10月の記録・ニュース
楽天・松井裕樹が最年少100セーブ
9月16日のロッテ戦で、楽天・松井裕樹が22歳10か月での通算100セーブを達成した。2012年に横浜・山口俊が作った25歳1ヵ月の記録を大幅に更新する最年少記録となった。
ロッテ・福浦が2000本安打
9月22日の西武戦で、ロッテ・福浦和也が通算2000本安打を達成した。これで2000本安打達成者は52名(日米通算も含めると57名)となった。
中日・岩瀬が1000試合登板
9月28日の阪神戦で、中日・岩瀬仁紀が前人未到の1000試合登板を達成した。今季で引退する岩瀬は最終的に1002登板までプロ野球記録を伸ばしている。