野球においてレギュラーシーズン終了後に始まるのが「ポストシーズン」だ。
日本ではポストシーズンに、クライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズといった名称でプレーオフ(順位決定戦)が行われるが、メジャーリーグ(以下、MLB)でも同様にプレーオフが行われている。
ここではそんなMLBのプレーオフの仕組みについて解説していきたい。
※2023年の最新版に更新しました。
MLBのリーグ編成
MLBのプレーオフの仕組みを理解するにあたって、まずはリーグ編成を知る必要があるだろう。
MLBは全30球団からなり、アメリカンリーグとナショナルリーグの2リーグに、それぞれ15球団ずつが分かれて所属している。
出典:チーム – MLB.jp
各リーグはさらに東地区・中地区・西地区の3地区に分かれており、各地区5球団ずつに分かれてレギュラーシーズンで地区優勝を争っている。
プレーオフではこの地区優勝チームと、ワイルドカードと呼ばれる地区優勝以外の勝率上位チームによって、リーグチャンピオンおよびワールドチャンピオンを争うことになる。
MLBのプレーオフ概要
MLBのリーグ編成がわかったところで、プレーオフの仕組みについて見ていきたい。
プレーオフの全体概要をまとめたものが以下の図になる。
プレーオフに出場できるのは各リーグ6チームずつの計12チームで、各マッチアップには固有の名称が付いている。
プレーオフ出場条件(リーグ毎)
- 地区優勝の3チーム
- 地区優勝の3チームを除いた12チーム中、年間勝率の高い上位3チーム(ワイルドカード)
ワイルドカードシリーズ(WCS)
以下の組み合わせで試合を行い、勝者がディビジョンシリーズ(DS)に進出する。
- 「ワイルドカード勝率1位チーム」vs「ワイルドカード勝率2位チーム」
- 「地区優勝勝率3位チーム」vs「ワイルドカード勝率3位チーム」
3戦2勝先取で、ワイルドカード勝率1位チームと地区優勝勝率3位チームの本拠地でそれぞれ行われる。
ディビジョンシリーズ(DS)
以下の組み合わせで試合を行い、勝者がリーグチャンピオンシップシリーズ(LCS)に進出する。地区シリーズともいわれる。
- 「地区優勝勝率1位チーム」vs「ワイルドカード勝率1位vs2位の勝者」
- 「地区優勝勝率2位チーム」vs「地区優勝勝率3位vsワイルドカード勝率3位の勝者」
5戦3勝先取(2試合→2試合→1試合)で、ホームアドバンテージ(本拠地での試合数が多くなる)は地区優勝勝率1位チームと地区優勝勝率2位チームに与えられる。
リーグチャンピオンシップシリーズ(LCS)
地区シリーズを勝ち上がった2チームで試合を行い、勝者がワールドシリーズ(WS)に進出する。リーグ優勝決定シリーズともいわれる。
7戦4勝先取(2試合→3試合→2試合)で、ホームアドバンテージはレギュラーシーズンの勝率が高かったチームに与えられる。ただし地区優勝チームとワイルドカードチームの対戦となった場合には、勝率に関係なく地区優勝チームにホームアドバンテージが与えられる。
ワールドシリーズ(WS)
両リーグのチャンピオン同士で試合を行い、勝者がMLB全30球団の頂点となる。
7戦4勝先取(2試合→3試合→2試合)で、ホームアドバンテージはレギュラーシーズンの勝率が高かったチームに与えられる(2017年から)。
ポストシーズンの重要性
こうしたメジャーリーグのポストシーズン(プレーオフ)は約1ヵ月にも及び、最後のワールドシリーズに勝利したチームのみが、チャンピオンリングという最高の栄誉を手にすることができる。
選手やファンにとって、レギュラーシーズンの活躍はもちろん重要なことだが、このポストシーズンでの活躍がより重要な意味を持ってくる。
過去に多くの日本人選手がワールドシリーズに出場しているが、中でも2009年のヤンキース・松井秀喜が、打率.615(13-8)、3本塁打、8打点、OPS2.027の活躍でワールドシリーズMVPに輝いたことは印象深い。松井が未だにヤンキースファンから支持されるのも、ワールドシリーズでの活躍があればこそだろう。
おわりに
ここまでメジャーリーグのポストシーズン(プレーオフ)について説明してきたが、日本と比べてその規模の大きさには驚かされるばかりだ。
これだけの規模でやるからこそ、ポストシーズンが重要な意味を持つし、ファンの盛り上がりも一味違うのだろう。
MLBにあまり興味が無かった人でも、これをきっかけとして是非見てみることをオススメしたい。