【プロ野球】「1試合28四死球」の日本新記録を達成

1試合28四死球のプロ野球新記録

2017年4月1日の広島vs阪神戦@マツダスタジアムで、「1試合28四死球」というプロ野球新記録が生まれた。

試合は両軍合わせて21安打が飛び出す乱打戦。5時間24分にも及ぶ激闘の末、10回裏に広島がサヨナラ勝ちを収めている。(広島9x-8阪神)

開幕2日目にして早くも生まれたプロ野球新記録に球界は騒めいたが、ここでは記録が生まれた理由と1試合での与四死球の歴代記録について触れていきたい。

四球が増大した理由

28個の四死球のうち、広島投手陣が与えたものが15個(四球14、死球1)、阪神投手陣が与えたものが13個(四球13、死球0)と、両軍万遍なく四死球を出している。

選手 投回 四死 選手 投回 四死
広島 岡田 4 7 阪神 岩貞 5 5
中田 1.1 2 松田 0 1
薮田 0.2 1 高橋 0.2 0
今村 1 1 桑原 0.1 0
ジャクソン 1 1 藤川 1 4
中崎 2 3 マテオ 2 3
ドリス 0.1 0

特別コントロールの優れた投手はいなかったものの、極端にノーコンの投手が試合を壊したわけでも無い。四球合戦となった大きな原因は球審を務めた杉本審判にあるだろう。

杉本審判はストライクゾーンが狭いことで知られるが、昨日も内角と低めがかなり狭く、コースを突いた球がことごとくボール判定を受けていた。

▼7回裏に藤川球児が同点の押し出し四球を許した一球

試合が進むにつれて打者も内角や低めの球には手を出してこなくなり、仕方なく投じた高めの球を痛打されるという悪循環に陥っていた。

ストライクが入らない苛立ちや失点によるプレッシャーもあり、投手陣のコントロールが乱れていった結果、プロ野球新記録となる四球の山が積みあがってしまったと言える。

1試合での与四死球の歴代記録

この試合で四死球数のプロ野球記録が更新されたが、これまでの最多記録は1937年9月12日のライオンvs金鯱戦で記録された「1試合26四死球」であった。実に80年ぶりの記録更新である。

日付 合計 スコア 四死球内訳
2017.04.01 28 10 広島9-8阪神 広島 13 阪神 15
1937.09.12 26 9 ライオン8-6金鯱 ライオン 11 金鯱 15
2014.08.16 25 12 西武8-8日本ハム 西武 16 日本ハム 9
1994.08.25 24 15 中日7-9広島 中日 13 広島 11
1998.07.12 23 9 西武3-5オリックス 西武 13 オリックス 10
1996.06.01 23 9 西武9-12近鉄 西武 13 近鉄 10
1994.07.01 23 9 西武3-8近鉄 日本ハム 16 近鉄 7
1993.07.14 22 10 日本ハム6-6ロッテ 近鉄 14 ロッテ 8
1985.09.10 22 9 近鉄8-9阪急 阪急 6 阪急 16
1977.04.05 22 9 大洋10-12巨人 大洋 13 巨人 9

参考:公式戦全スコア – 日本プロ野球記録

※今回の記録は「四球数」だけで見ても27個で日本新記録となる。

最多与四死球の個人記録

ついでに1試合における最多与四球と最多与死球の個人記録についても調べてみた。

  • 最多与四球 16個 野茂英雄 1994年7月1日
  • 最多与死球   5個 村上雅則 1972年8月29日

出典:日本プロ野球記録の一覧 – wikipedia

野茂英雄については9回16四球完投勝利という恐るべき記録で、さすが球界のレジェンドといったところだ。普通これだけ四球を出していて完投勝利は出来ないだろう。