2017年10月30日、巨人の菅野智之が自身初となる沢村賞を受賞した。
防御率1.59という成績や、勝利数・防御率で両リーグトップに立ったことが高く評価され、選考委員会において満場一致での選出となった。
本記事ではシーズン後半から候補選手の成績を追ってきたが、ここではその総括として、受賞した菅野のほか各候補選手の成績をまとめていきたい。
沢村賞候補の成績と受賞結果
沢村賞候補選手の基準は、「いずれかの選考基準でリーグ1位を獲得している選手」とした。太字はリーグ1位、赤背景は基準を満たしていることを表す。
選手 | 球団 | 登板 | 完投 | 勝利 | 勝率 | 投球回 | 奪三振 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
沢村賞 | 25 | 10 | 15 | .600 | 200 | 150 | 2.50 | |
★菅野智之 | 巨人 | 25 | 6 | 17 | .773 | 187.1 | 171 | 1.59 |
菊池雄星 | 西武 | 26 | 6 | 16 | .727 | 187.2 | 217 | 1.97 |
東浜巨 | 福岡 | 24 | 2 | 16 | .762 | 160 | 139 | 2.64 |
則本昂大 | 楽天 | 25 | 8 | 15 | .682 | 185.2 | 222 | 2.57 |
薮田和樹※ | 広島 | 38 | 2 | 15 | .833 | 129 | 115 | 2.58 |
マイコラス | 巨人 | 27 | 0 | 14 | .636 | 188 | 187 | 2.25 |
千賀滉大 | 福岡 | 21 | 0 | 13 | .765 | 137 | 144 | 2.56 |
金子千尋 | オリ | 27 | 6 | 12 | .600 | 184.1 | 141 | 3.47 |
※薮田の登板38のうち先発15/中継ぎ23。3勝は中継ぎ時。
15勝以上の規定投球回到達投手のうち、選考基準を最多5項目達成しているのが菅野と菊池のみであり、実質的に一騎打ちの争いとなった。
勝利数・防御率で勝る菅野が初受賞
菅野と菊池を比較すると、菅野が勝利数・勝率・防御率の3項目で勝っており、菊池が登板数・投球回・奪三振の3項目で勝っている。
共に3項目で相手に勝っており、タイトルも共に最多勝・最優秀防御率の2つと接戦だったが、勝利数・防御率で勝る菅野が初受賞となった。
過去の受賞投手の成績を見ていくと、勝利数や防御率で勝っている方が有利な傾向がみられるため、今回の選考でも従来通りの評価がなされたと言える。
W受賞についても議論されたようだが、こちらも過去の経緯からしてハードルはかなり高く、事前の予想通り菅野の単独受賞となった。(詳しくは上記の関連記事を参照)