2005年にセ・パ交流戦が始まり既に18年が経過した。当初は両リーグの活性化を目的として試験的に導入された交流戦だが、もはやプロ野球には欠かせないものとなった。
ここでは、交流戦の①リーグ別勝敗数、②12球団の歴代順位、③12球団の通算勝率について紹介し、その歴史の一端を見ていきたいと思う。
特に12球団の通算勝率については、対戦球団別の勝率も算出しているので、得意球団・苦手球団もわかるようになっている。
※2023年の交流戦結果まで反映しています。
リーグ別の勝敗数
リーグ別の勝敗数を見ると、セ・リーグが勝ち越したのは18回のうち3回のみで、他は全てパ・リーグが勝ち越しを決めている。特に2010年代の負け越しが大きく、通算では100勝以上の差が出来てしまっている。
ただ2021年以降は両リーグの勝ち数差が2勝以内に収まっており、両リーグの実力が拮抗してきているように見える。この調子で来年以降もリーグ間で肉薄した試合を見せてくれることに期待したい。
12球団の歴代順位
交流戦の歴代の順位一覧を以下に示す。
交流戦の優勝回数を見ると、ソフトバンクが8回とダントツトップ。次いでロッテ、巨人、オリックス、ヤクルトの2回があり、あとは日本ハムとDeNAが1回優勝しているだけである。
交流戦で上位につけているチームがペナント優勝するケースが多く、2008年の西武のように11位から優勝というのはかなりのレアケースと言えるだろう。(この時の西武は10勝14敗で、11位とは言えそれほど大きく負け越したわけではない)
ちなみに各球団のこれまでの平均順位は以下の通り。これで交流戦の得意・不得意がおおよそ見えてくるはずだ。
12球団の通算勝率
ここからは各チームの通算勝率を高い順に紹介していきたい。(2023最新)
1位 福岡ソフトバンクホークス 勝率.613
- 通算 239勝151敗18分 勝率.613
- 巨人 41勝27敗0分 勝率.603
- 阪神 37勝27敗4分 勝率.578
- 中日 36勝29敗3分 勝率.554
- ヤク 39勝27敗2分 勝率.591
- 横浜 43勝22敗3分 勝率.662
- 広島 43勝19敗6分 勝率.694
12球団で唯一勝率が6割を超えている。特にセ・リーグで最も交流戦勝率の高い巨人を得意としているのが大きい。
2位 千葉ロッテマリーンズ 勝率.535
- 通算 209勝182敗17分 勝率.535
- 巨人 36勝29敗3分 勝率.554
- 阪神 28勝34敗6分 勝率.452
- 中日 34勝30敗4分 勝率.531
- ヤク 35勝33敗0分 勝率.515
- 横浜 37勝30敗1分 勝率.552
- 広島 39勝26敗3分 勝率.600
交流戦の初代王者。シーズンの調子が悪くても、交流戦から調子を上げてくる強さがある。2021年に日本ハムを抜いて勝率2位に躍り出た。
3位 北海道日本ハムファイターズ 勝率.531
- 通算 211勝186敗11分 勝率.531
- 巨人 32勝34敗2分 勝率.485
- 阪神 33勝34敗1分 勝率.493
- 中日 37勝29敗2分 勝率.561
- ヤク 34勝31敗3分 勝率.523
- 横浜 37勝30敗1分 勝率.552
- 広島 38勝28敗2分 勝率.576
交流戦では安定した強さを誇るが、巨人と阪神には負け越しており、相性の悪さが伺える。
4位 読売ジャイアンツ 勝率.523
- 通算 207勝189敗12分 勝率.523
- 福岡 27勝41敗0分 勝率.397
- 千葉 29勝36敗3分 勝率.446
- ハム 34勝32敗2分 勝率.515
- オリ 37勝27敗4分 勝率.578
- 西武 40勝25敗3分 勝率.615
- 楽天 40勝28敗0分 勝率.588
セ・リーグ唯一の勝率5割超え。パ・リーグ交流戦順位の下位に強く、上位に弱い傾向が顕著。
5位 オリックス・バファローズ 勝率.514
- 通算 204勝193敗11分 勝率.514
- 巨人 27勝37敗4分 勝率.422
- 阪神 33勝32敗3分 勝率.506
- 中日 28勝39敗1分 勝率.418
- ヤク 33勝34敗1分 勝率.493
- 横浜 41勝26敗1分 勝率.612
- 広島 42勝25敗1分 勝率.627
2021年に2度目の交流戦優勝を果たし、勝率で5位に上がった。広島、横浜を得意とし、巨人、中日を苦手としている。
5位 埼玉西武ライオンズ 勝率.501
- 通算 199勝198敗11分 勝率.501
- 巨人 25勝40敗3分 勝率.385
- 阪神 35勝33敗0分 勝率.515
- 中日 34勝32敗2分 勝率.515
- ヤク 38勝29敗1分 勝率.567
- 横浜 37勝29敗2分 勝率.561
- 広島 30勝35敗3分 勝率.462
2023年に交流戦最下位となり、勝率5割ラインが後ろに迫ってきた。巨人を苦手とし、ヤクルト、横浜を得意としている。
7位 阪神タイガース 勝率.495
- 通算 195勝199敗14分 勝率.495
- 福岡 27勝37敗4分 勝率.422
- 千葉 34勝28敗6分 勝率.548
- ハム 34勝33敗1分 勝率.507
- オリ 32勝33敗3分 勝率.492
- 西武 33勝35敗0分 勝率.485
- 楽天 35勝33敗0分 勝率.515
2021年、2022年と2年連続で交流戦2位につけており、勝率5割が目前に迫っている。勝率2位のロッテに勝ち越しており、相性の良さが伺える。
8位 中日ドラゴンズ 勝率.491
- 通算 194勝201敗13分 勝率.491
- 福岡 29勝36敗3分 勝率.446
- 千葉 30勝34敗4分 勝率.469
- ハム 29勝37敗2分 勝率.439
- オリ 39勝28敗1分 勝率.582
- 西武 32勝34敗2分 勝率.485
- 楽天 35勝32敗1分 勝率.522
2022年に勝率5割を切ってしまい、阪神に抜かれて勝率8位に。交流戦下位に強く、上位に弱い傾向が見える。
9位 東京ヤクルトスワローズ 勝率.480
- 通算 192勝208敗8分 勝率.480
- 福岡 27勝39敗2分 勝率.409
- 千葉 33勝35敗0分 勝率.485
- ハム 31勝34敗3分 勝率.477
- オリ 34勝33敗1分 勝率.507
- 西武 29勝38敗1分 勝率.433
- 楽天 38勝29敗1分 勝率.567
2022年に2度目の交流戦優勝を果たし、勝率で楽天を抜いて9位にランクアップ。ソフトバンクと西武には相性がかなり悪い。
10位 東北楽天ゴールデンイーグルス 勝率.474
- 通算 191勝212敗5分 勝率.474
- 巨人 28勝40敗0分 勝率.412
- 阪神 33勝35敗0分 勝率.485
- 中日 32勝35敗1分 勝率.478
- ヤク 29勝38敗1分 勝率.433
- 横浜 34勝31敗3分 勝率.523
- 広島 35勝33敗0分 勝率.515
2015年以降は負け越しが1回しかないが、球団創設初期の借金が大きいため、トータルでは借金持ち。巨人、ヤクルトとはかなり相性が悪い。
11位 横浜DeNAベイスターズ 勝率.423
- 通算 168勝229敗11分 勝率.423
- 福岡 22勝43敗3分 勝率.338
- 千葉 30勝37敗1分 勝率.448
- ハム 30勝37敗1分 勝率.448
- オリ 26勝41敗1分 勝率.388
- 西武 29勝37敗2分 勝率.439
- 楽天 31勝34敗3分 勝率.477
2023年に交流戦初優勝を果たし、通算勝率でついに最下位を脱した。2015年の3勝14敗1分(勝率.176)は、交流戦における単年度勝率のワースト記録となっている。
12位 広島東洋カープ 勝率.422
- 通算 166勝227敗15分 勝率.422
- 福岡 19勝43敗6分 勝率.306
- 千葉 26勝39敗3分 勝率.400
- ハム 28勝38敗2分 勝率.424
- オリ 25勝42敗1分 勝率.373
- 西武 35勝30敗3分 勝率.538
- 楽天 33勝35敗0分 勝率.485
2022年まで3年連続で交流戦最下位となっており、2023年には通算勝率最下位に転落。ソフトバンクにめっぽう弱く、過去に勝ち越しは1度しかない。