【野球】2年連続トリプルスリーの凄さとは?歴代のトリプルスリー達成者を調査してみた

山田哲人

2016年12月21日、2年連続のトリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲人選手が、球団日本人の史上最高年俸となる3億5000万円で契約更改を行った。

ヤクルトの日本人選手というと、古田敦也選手(最高年俸3億円)や青木宣親選手(最高年俸3.3億円)がいるが、それを越える史上最高額での契約ということで、選手としての評価の高さが窺える。

今回の評価の一翼を担ったのは、なんと言っても「2年連続のトリプルスリー」であろう。山田選手があまりにもアッサリと達成してしまったため、野球ファンの熱は若干覚め気味であったが、それでも史上初の偉業に球界の注目が集まったのは間違いない。

山田選手を見ていると、トリプルスリーなんて簡単なことのように感じてしまうが、それがとんだ錯覚だということを再認識するためにも、歴代のトリプルスリー達成者のデータを見ていきたいと思う。

歴代のトリプルスリー達成者

歴代のトリプルスリー達成者は以下の通り。

選手 球団 年度 打率 本塁 盗塁
別当薫 毎日 1950年 .335 43 34
岩本義行 松竹 1950年 .319 39 34
中西太 西鉄 1953年 .314 36 36
蓑田浩二 阪急 1983年 .312 32 35
秋山幸二 西武 1989年 .301 31 31
野村謙二郎 広島 1995年 .315 32 30
金本知憲 広島 2000年 .315 30 30
松井稼頭央 西武 2002年 .332 36 33
山田哲人 ヤク 2015年 .329 38 34
柳田悠岐 ソフ 2015年 .363 34 32
山田哲人 ヤク 2016年 .304 38 30

出典:NPB公式サイト – トリプルスリー

歴代で見ても達成者は10人しかおらず、1953年から1983年までは30年間も達成者が出ていない。2015年には2人同時達成、2016年には2年連続達成と、トリプルスリーのバーゲンセールのようになっているが、今の状況が異常だということは肝に命じておく必要があるだろう。

トリプルスリー達成者の翌年成績は?

次に、歴代トリプルスリー達成者の、「達成した翌年の成績」を見てみよう。(※山田哲人選手は除く)

選手 球団 年度 打率 本塁 盗塁
別当薫 毎日 1951年 .309 16 22
岩本義行 松竹 1951年 .351 31 10
中西太 西鉄 1954年 .296 31 23
蓑田浩二 阪急 1984年 .280 26 5
秋山幸二 西武 1990年 .256 35 51
野村謙二郎 広島 1996年 .292 12 8
金本知憲 広島 2001年 .314 25 19
松井稼頭央 西武 2003年 .305 33 13
柳田悠岐 ソフ 2016年 .306 18 23

出典:Clickプロ野球記録

トリプルスリーを達成した翌年の成績において、項目を2つ以上クリアしている選手は、岩本義行、秋山幸二、松井稼頭央の3選手のみ。また、その3選手についても、岩本、松井の両選手は盗塁が20にも満たず、秋山選手は打率が全く届いていない。お世辞にも「2年連続、惜しかったね」と言える成績ではなく、トリプルスリーを継続することがいかに困難かがわかるだろう。

2度目の達成は有り得たか?

さらに、トリプルスリー達成者について、翌年に限らず「トリプルスリーの項目を2つ以上クリア」した年の成績を見てみよう。

トリプルスリー達成者が、トリプルスリーの項目を2つ以上達成した年の成績一覧

出典:Clickプロ野球記録

「2度目の達成」に最も近かったのは、1955年の中西太選手だろうか。盗塁があと11個足りないだけなので、数を撃てばなんとかなったかもしれない。とはいえ、20個にも満たない盗塁数では、まだまだ壁は厚かったと言わざるをえない。

2項目クリアした年が最も多い松井稼頭央選手(4回)についても、盗塁を決めていた時期と本塁打を打てるようになった時期がうまく嚙み合えば良かったが、単年の成績だけを見るとなかなか厳しいようだ。

トリプルスリーのジレンマ

ここまでのデータから、「2年連続」どころか「2度達成」ですら相当難しいということがわかったと思う。それをすんなり達成してしまう山田哲人選手が、いかに化け物であるかはもはや言うまでもない。

トリプルスリー達成のうえでネックとなるのが、「本塁打」と「盗塁」の両立だろう。本塁打を30本以上打てる打者は、ほとんどの場合、チームの中軸を担っているはずだ。打席数も少なくなるし、長打や塁埋めの敬遠などで盗塁できる場面も限られ、さらには怪我のリスクを負ってまで盗塁したくない(させたくない)という気持ちも働くだろう。

トリプルスリーとは、打力と走力、さらには「ケガのしにくさ」までも兼ね備えた一流選手にのみ与えられる称号なのだ。晩年に達成している打者が皆無なことからも、このことがよくわかると思う。

2016年度の山田選手は、ケガによる離脱に苦しみながらも、打率.304 本塁打38 盗塁30という成績でトリプルスリーを達成した。この調子でいけば「3年連続達成」も夢ではないし、未だ日本プロ野球界で達成者のいない「40本40盗塁」についても大いに期待できる。

トリプルスリーの記録としての価値には賛否あるが、達成が困難であるからこそ、山田選手には挑戦し続けて欲しいと思う。超一流からレジェンドへ、その軌跡を見られることほど、野球ファン冥利に尽きることはないだろう。

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